建築学科に通っている方や、二級建築士を取得していてこれから一級建築士を目指そうと思っている方はもちろん、どうやったら一級建築士になれるのか気になる方向けに、一級建築士になるための道のりをご紹介していこうと思います。
こんな方におすすめ
- 一級建築士を目指している
- 建築学科に通っている
- 建築士に興味がある
僕自身は大学を卒業+実務経験にて条件をクリアしましたが、一級建築士になる方法は他にもいろいろあります。
他の方法で資格を取得した先輩方や友人を見ていて共通して、一級建築士になれるのはこんな人が多いと思うのは下の3つです。
一級建築士になれる人はこんな人
- 長期間の勉強に耐えられる人
- あきらめずに取り組める人
- 効率的に勉強時間を確保できる人
もちろん、これが全てではありませんが一級建築士になるうえで資格試験を合格するということが絶対条件になってくるので、上記のように勉強に対してハードルが低い人の方が一級建築士になりやすいのではないかと思います。
他の資格でも同じことが言えますが、とりわけ一級建築士試験は設計製図の試験で精神を削るので、目標に向かってあきらめないで進むことができる、ということが重要だと感じます。
この記事を読むと、一級建築士になるためにどんなことが待ち受けているかが全てわかるようになります。
それではどうぞ!
大手2社ではなくTACに通ってみた感想はこちらからどうぞ!
一級建築士とは
一級建築士は国が定める国家資格で、建築に関する独占業務があります。
多くの人が利用する建築物に関わるという性質上、実務経験も重要視されており、大学を卒業しているか等によって変わってきますが実務経験も2年~10年必要となってきます。
何ができるの?
一級建築士になると建築物の「設計」と「工事監理」ができるようになります。
建築士法には下のように書かれています。
建築士法第3条 次の各号に掲げる建築物(建築基準法第85条第1項又は第2項に規定する応急仮設建築物を除く。以下この章中同様とする。)を新築する場合においては,1級建築士でなければ,その設計又は工事監理をしてはならない。
一 学校,病院,劇場,映画館,観覧場,公会堂,集会場(オーデイトリアムを有しないものを除く。)又は百貨店の用途に供する建築物で,延べ面積が500㎡をこえるもの
二 木造の建築物又は建築物の部分で,高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの
三 鉄筋コンクリート造,鉄骨造,石造,れん瓦造,コンクリートブロック造若しくは無筋コンクリート造の建築物又は建築物の部分で,延べ面積が300㎡,高さが13m又は軒の高さが9mをこえるもの
四 延べ面積が1,000㎡をこえ,且つ,階数が2以上の建築物
2 建築物を増築し,改築し,又は建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をする場合においては,当該増築,改築,修繕又は模様替に係る部分を新築するものとみなして前項の規定を適用する。
資格は持ってないけど仕事で設計してるよ
という方は、法律上は設計者の補佐という立場になってしまいます。
実務ではメインでやっていても、書類など記録に残るものには自分の名前が出なくなってしまうんですね、、、
二級建築士との違いは?
建築士には二級建築士と木造建築士もあります。
それぞれの違いは設計、工事監理できる規模の違いによって分けられています。
一級建築士であればすべての建築物を設計、工事監理できるわけですが、二級建築士は個人住宅などの設計を想定した資格であり、小規模な建築物に限られます。
そのため自分の関わりたい建築に携わるには、一級か二級かどちらが必要なのか把握しておく必要がありますね。
より詳しく知りたい方は公益財団法人 建築技術教育普及センターのサイトをご確認ください。
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k2kmk/type_of_architects.html
一級建築士試験について
一級建築士になるためには試験に合格しなければなりません。
試験は年に1回で、学科の試験と設計製図の試験の両方に合格する必要があります。
どちらも難しく、勉強量もかなりあるので年間を通して勉強をする人も多いです。
試験の難易度については別の記事で解説しています!
受検にも条件があります
受検をするためには大学などで指定の科目を履修して卒業していることや、二級建築士の資格を取得していることなど条件があり、だれでも試験を受けられるわけではありません。
また、以前は受験するために実務経験が必要でしたが、改正により免許登録するために実務経験が必要に変わったので、大学を卒業してからすぐに試験を受けることが可能になりました。
建築士の超高齢化が進んでいるため、このような若い一級建築士を増やそうという動きがあります。
自分が試験を受けることができるか不安な方はこちらに詳しく解説しています。
学科の試験
1次試験である学科の試験は、5科目を休憩をはさみながら6時間半かけて解いていきます。
科目は計画(20点満点)、環境(20点満点)、法規(30点満点)、構造(30点満点)、施工(25点満点)と別れており、その合計点(125点満点)により上から順番に並べられ、上位18%ほど(年によって変動)が合格となります。
また、各科目には足切り点も設定されており、半数上間違えると合計点では上位でも不合格となります。
毎年合格率は変わりますが、基準点はだいたい90点台前半から中盤に設定されることが多く、90点台後半~100点台を取れていれば突破できる可能性が高いと言えます。
試験時期は7月の第4日曜日に設定されることが多く、東京オリンピックの年だけ若干前倒しされました。
資格学校によっては、前の年の秋冬ごろから授業が始まるところもあり、学科試験だけでも長期戦になります。
学科試験合格のためのロードマップはこちらからどうぞ!
設計製図の試験
学科の試験を突破すると2次試験の設計製図の試験に挑戦できるようになります。
この挑戦権は学科試験突破後、5年のうち3回まで使用することができ、3回すべて使用してしまうと学科試験から受けなければならなくなります。
3回目の受験をカド番などと呼んだりしますね。
設計製図の試験は試験時間6時間半で、A2の用紙に図面を4面描くことと、A3の用紙に設計の概要を記述する必要があります。
6時間半と聞くと長いように感じられますが、実際にはこれでも時間が足りないくらいで、一瞬で時間が過ぎていくように感じられます。
試験は問題用紙に書かれた設計条件・要望を読み、法律や施主(試験問題)の要望に合った設計を行えるかを問われるような内容です。
図面は手書きで書かなければならないので、それに慣れる勉強をするのに時間がかかります。
また、学科の試験とは違い空き時間にちょこっと勉強することが難しいので、まとまった時間をいかに確保できるかが重要になってきます。
設計製図試験合格のためのロードマップはこちらからどうぞ!
試験合格後にするべきことは?
試験に合格できたら免許の申請だけじゃないの?
僕もこんな風に思ってました。
少し前まではこの通りでしたが、試験の制度が改正されたことによって、試験に合格後に実務経験を積まなければならない場合が出てきています。
実務経験にカウントできる範囲についても改正により広がっているので、実務も申請しやすくなりました。
改正についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
実務経験もクリアしたら後は免許の登録ですね。
登録するには実務証明など会社や大学に書類を書いてもらわないといけないものもあるため、事前に誰にお願いすればいいのか確認しておくといいと思います。
また、登録税なども払わなければならないので忘れずに行いましょう!(これがまた高い、、、)
登録の申請をすると書類に不備が無いかなどをチェックされ、問題なければ免許発行となります。
僕の時は申請してから発効まで3か月ほどかかりました。
時期によってはもう少し早いのかもしれませんが、ここまで来たらあと少しです、気長に待ちましょう。
一級建築士合格後の話はこちらの記事でまとめています。
まとめ
今回は一級建築士になるための方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
これから一級建築士を目指そうと考えている方は、自分のライフプランに合わせて資格取得目標を立てる際に参考にしていただければと思います。
試験は難しく、長時間の勉強が必要になるため苦しい時間が続きますが、合格して一級建築士になると周囲からの評価も変わるので、目標に向かって頑張っていきましょう!
このブログではこれからも一級建築士試験に役立つ記事を発信していく予定ですので、参考にしていただけたら幸いです。
それではまた。