今回は、一級建築士試験の難易度を新米一級建築士が解説していきます!
こんな方におすすめ
- 一級建築士ってどれくらい難しいの?
- 合格するためには何時間勉強すればいいの?
- 合格率を見るとそんなに難しくない?
一級建築士の試験は難しいって言われてるけど実際どれくらい難しいんだろう?
一級建築士試験にチャレンジしたいけど、このように疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
試験にチャレンジする前は僕も同じように疑問に思っており、ネットで合格率などを調べていました。
総合の合格率が約10%、学科試験の合格率が約19%、設計製図試験の合格率が約35%と試験元から発表されています。
参考までに宅建の合格率が約15%なので、それと比較すると学科試験と製図試験単体では宅建よりも合格率が高いことになります。
ここまで言うと、あれ?実はそこまで難しくないんじゃないの?と思うかもしれません。
最初は僕もそう思っていました。
しかし、実際はかなり厳しい試験で、最初にこんなこと思っていたことを激しく後悔する難易度でした。
僕は幸いにもすぐに難しい試験だと気づけたので認識を改めて勉強を怠らずに挑めましたが、模試などでほんとの難易度に気づくと、そこから本試験まで追い上げるのに時間がかかると思います。
なので今回は、少しでもそんな方を減らすために、一級建築士試験の難易度について解説していきます。
この記事を読むと、合格率に現れない一級建築士の難易度とどれくらい勉強すれば良いのかが分かるようになっています!
それではどうぞ!
一級建築士になるための方法はこちらからどうぞ!
一級建築士試験の合格率は?
一級建築士の試験は1次試験の学科の試験と、2次試験の設計製図の試験がありますが、総合の合格率は毎年約10%程度です。
年により若干の差はありますが、受験者の9割が落ちてしまう試験になっています。
あれ?宅建の試験の合格率は約15%程度だから、言うほど難しくないんじゃない?
数字だけ見るとこのように思う方もいるかもしれません。
一級建築士試験は宅建のように誰でも受験できる試験ではなく、受験するにも条件があるので、記念受験のような方が少ない中でこの倍率になっていることも考えると難しさが分かるのではないかと思います。
また、学科の試験を突破した後に受けることができる設計製図の試験も、学科試験をパスして受けることができる回数が決まっているので、設計製図試験の方がより本気の人しか受けていない試験になります。
一級建築士試験の学科、製図それぞれの試験の難易度
続いて、学科の試験と設計製図の試験のそれぞれの難易度を確認していきましょう。
結論から言うとどちらの試験も難しいですが、設計製図の試験の方が厳しい試験だと感じます。
“難しい”ではなく”厳しい”試験なんです、、、
そう感じる理由を学科の試験から順番に解説していきます。
学科の試験
学科の試験の合格率は試験元からこのように発表されてます。
年度 | 受検者数 | 合格率 | 合格者数 |
---|---|---|---|
平成30年 | 25,878名 | 18.3% | 4,742名 |
令和元年 | 25,132名 | 22.8% | 5,729名 |
令和2年 | 30,409名 | 20.7% | 6,295名 |
令和3年 | 31,696名 | 15.2% | 4,832名 |
令和4年 | 30,007名 | 21.0% | 6,289名 |
平均合格率は約19%で、年によっては15%程度の年もあります。
令和2年から一級建築士の制度が変わったので、受験者数が5,000人ほど増えてますが大きく合格率に変化はありません。
制度変更について詳細は別記事にてまとめています。
受験資格として指定の科目を修めて大学を卒業しているか、二級建築士を持っている等があるので、建築に全く関係ない人が記念受験で受験者数を増やしていると言うことはありません。
また、資格学校に通っている場合はその授業料が数百万と高額なので、試験に申し込みはしたけど当日試験を受けなかったという方も、宅建などと比較して少ないと思います。
このように受験者のほぼ全員が合格を目指している試験のため、合格率の単純比較では測れない難しさがあると考えています。
設計製図の試験
試験元から発表されている合格率はこのようになっています。
年度 | 受検者数 | 合格率 | 合格者数 |
---|---|---|---|
平成30年 | 9,251名 | 41.4% | 3,827名 |
令和元年 | 10,151名 | 35.2% | 3,571名 |
令和2年 | 11,035名 | 34.4% | 3,796名 |
令和3年 | 10,499名 | 35.9% | 3,765名 |
令和4年 | 10,509名 | 33.0% | 3,473名 |
設計製図の試験は学科の試験を突破した人のみが受験でき、学科試験を突破してから5年間のうち3回は学科試験を受けずに設計製図の試験のみを受験することが可能です。
学科試験を受験せずに製図試験を受けることができる最後3回目の受験のことをカド番と呼んだりもします。
設計製図試験にだけ集中して挑める回数が3回までと決まっているので、この3回のうちになんとしてでも合格しようと受験者全員が考えているため、学科試験よりも”厳しい”試験だと思います。
特にカド番になると、来年また学科試験から受験しないといけないかもしれないというプレッシャーと絶望感から、精神的にかなりくるものがあると感じます。
一級建築士試験の勉強時間はどれくらい?
合格するためにはどれくらい勉強しないといけないのか気になりますよね。
学科の試験は、資格学校によっては前年の秋ごろから授業が始まるところもありますし、設計製図の試験は学科の試験から約3ヶ月後に試験があるので、その中でどれだけ勉強できるか、しなければならないのかを解説していきます。
学科の試験
学科の試験合格に必要な勉強時間は800〜1000時間を6ヶ月〜10ヶ月で行うくらいだと言われています。
もちろん合格者の中にはそれ以上の方もいますし、それ以下の方もいますが、学習のスケジュールを立てる上では目安になります。
6ヶ月前から始めた場合、1日の勉強時間は単純計算で約4〜6時間。
10ヶ月前から始めた場合、1日の勉強時間は単純計算で約2〜3時間。
休日はもう少し勉強できるとしても、毎日これくらいは勉強しなければ合格は難しい試験です。
勉強時間を確保できない方は短い時間に集中して勉強できるように、効率よく勉強していくことが求められます。
設計製図の試験
設計製図の試験の合格に必要な勉強時間は200〜250時間だと言われています。
その年の課題が発表されるのが7月中旬、試験が10月上旬なので勉強に当てられる期間は約3ヶ月になります。
過年度の方は事前に学習を進めている方もいますが、ここではその年の課題にあった勉強をする時間で考えたいと思います。
学科の試験と同じように1日の勉強時間を算出すると、約2〜3時間となります。
学科の試験のように、ちょっとの空き時間でどこでも勉強できるわけではないので、まとまった時間としてこの時間を1日に確保しようとすると難しいですよね。
学科の試験とは勉強方法が異なってくるので、最初は戸惑うかもしれませんが、合格に向けて頑張っていきましょう。
まとめ
今回は合格率に現れない一級建築士試験の難易度について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
これから受験を考えている方は、合格率の数字だけ見て判断することがないように注意していただければと思います。
このブログではこれからも一級建築士試験に役立つ記事を発信していく予定ですので、参考にしていただけたら幸いです。
それではまた。