今年も製図試験の課題が発表されました!
2022年度試験課題は「事務所ビル」です。
去年の「集合住宅」に続きシンプルな題目での出題なので、1・2階に店舗などが入ることも考えられますね。
本記事では事務所ビルで考えられる出題を僕なりに考えてみたので、ご紹介します!
それではどうぞ!
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こんな方におすすめ
- 2022年製図試験受験予定
- 一級建築士の資格を取りたい
- 製図試験の要点を知りたい
課題の内容
先ずは発表された今年の課題文から確認していきましょう。
今年の課題文は以下の通りです。
課題名
事務所ビル
要求図書
- 1階平面図・配置図(縮尺1/200)
- 各階平面図(縮尺1/200)
※各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定する。
- 断面図(縮尺1/200)
- 面積表
- 計画の要点等
(注1) 建築基準法令等に適合した建築物の計画 (建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設 等)とする。(注2) 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に規定する「建築物移動等円滑化基準」を満たす計画とする。
建築物の計画に当たっての留意事項
- 敷地の周辺環境に配慮して計画する。
- バリアフリー、省エネルギー、二酸化炭素排出量削減、セキュリティ等に配慮して計画する。
- 各要求室を適切にゾーニングし、明快な動線計画とする。
- 建築物全体が、構造耐力上、安全であるとともに、経済性に配慮して計画する。
- 構造種別に応じた架構形式及びスパン割りを適切に計画するとともに、適切な断面寸法の部材を計画する。
- 空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、昇降機設備等を適切に計画する。
注意事項
「試験問題」及び上記の「建築物の計画に当たっての留意事項」を十分に理解したうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。なお、建築基準法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」等と判断されます。
< 受験者の皆様へのお願い >
昨今の新型コロナウイルス感染症への対応に鑑み、課題の参考となるような施設等の見学を行うことは、お控えいただきますようお願いいたします。また、問い合わせ等を行う場合においても、社会通念上、良識のある行為、言動等に留意してください。
建築技術教育普及センターから引用
事務所ビルで想定される用途や部屋については下に開設していきます。
「事務所ビル」とは?
過去に出題された似たような課題はH21「貸事務所ビル(1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸スペースを計画する。)」があります。
さらにその前はH10「多目的ホールのある事務所ビル【基準階】」なので約10年に一度のペースで事務所ビルの課題が出題されているようです。
今年は副題の無い事務所ビルなので、貸事務所ビルなのか自社ビルなのかによってもセキュリティの考え方など変わってきそうです。
また、昨年に引き続き基準階型の課題なので、何階建ての建築物なのかが読み取れなくなっています。
1階、2階、3階(基準階)のパターンの可能性が高そうですが、事務所ビルということで駐車場を多く設ける必要があることからB1階、1階、2階(基準階)のパターンなども考えられます。
昨年に引き続き今年もシンプルな課題名なので事務所以外に要求される用途の候補が多岐にわたりますが、パッと思いつくのは下のような用途でしょう。
ポイント
カフェ
レストラン
コンビニ
テレワークスペース
貸し会議室
保育施設
H21から受験生の過度な負担を軽減するために異なる用途を複合させた建築物の計画は出題しないと試験元が発表しているので、知っていないと描けないような用途の部屋は出題されにくいと思います。
ちなみにH21の時は敷地の形が長方形ではなく台形の形で出題されました。
近年はずっと長方形の敷地形状ですが、今年もそれが続くとは限らないので、手に入れられるようだったらH21の課題は目を通しておくと良いと思います。
2021年試験との違い
昨年は集合住宅だった為、建築基準法令等に適合した建築物の計画の()書きの中に”採光”がありましたが、今回は事務所ビルなので無くなっていますね。
バリアフリー法の「建築物移動等円滑化基準」についても触れられています。
通路幅などは注意する必要がありますが、例年は問題文の中に記載があったので同様と考えられます。
また、昨年は道路高さ制限について厳しめに判定されていたので、今年も同様に問われることが想定されます。
近年は敷地内に計画する屋外スペースも増えてきているので、昨年の大きめな駐車場同様に広場などの面積が大きめのスペースの計画を求められる可能性も高いでしょう。
今回はさらに計画に当たっての留意事項の中で、二酸化炭素排出量削減について触れられました。
照明や空調などの省エネ対策、パッシブデザインについて記述などで問われる可能性が高く、事前に知らされていることから、重要度も高く設定される予感がしています。
「事務所ビル」の建築
5階もしくは8階建て程度のビルを参考にするといいと思います。
街を歩いていると大きくはないが、1階にカフェの入っているような事務所ビルが目につくと思うので、道路との関係やオフィスエントランスと店舗との動線など見てみるといいと思います。
一つ例を挙げるとすれば丸の内ビルディングなどです。
令和2年度学科試験にて突如出題されたビルで、当時戸惑った方も多かったのではないでしょうか。
低層階は商業施設になっているので見学しやすいのが特徴です。
ただし、高層建築は出ないと思うので、商業施設と事務所エントランスの関わり方の参考としてどうぞ。
課題発表の最後にも記載されていますが、既存建築物の見学をする際は社会通念上、良識のある行為、言動等に配慮するようにしましょう。
まとめ
今回は2022年度一級建築士設計製図試験の課題内容について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
今年も課題名の情報が少ない為、1階に何が入るのか予想しながら練習していくことになります。
また3年連続での基準階型の為、令和2年と令和3年の試験問題と求められた重要事項はもちろん勉強してきているよねというスタンスの試験になると予想されます。
年々求められる内容が複雑化しており、難しい試験ですががんばっていきましょう!
それではまた。