みなさん問題文に書いてある事項を読み落としてエスキスが上手くいかないことはありませんか?
僕は読み落としや、問題文に書いてある重要事項を読み取ることが苦手だったので、よく間違えていました。
そこで今回は問題文をチェックする時の重要ポイントについてご紹介していこうと思います。
それではどうぞ!
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こんな方におすすめ
- エスキスが苦手
- 問題文チェックの仕方を知りたい
- 問題文の中で重要なポイントは?
Contents
問題文をチェックするときはマーカーを使おう
資格学校によってチェックの付け方に差があり、中には単色でマーカーすることを推奨している学校もありますが、僕は色で項目を分けたかったので複数色使用しています。
僕が実践していたのは下のような色分けです。
- 数字:黄色
- 重要事項:青
- プランに関わる事項:ピンク
- 必要な部屋、モノ:オレンジ
- 例年と違う出題のされ方:赤マーカーで丸
毎年サプライズで例年とは違った記載が問題文にあるので、見逃さない、忘れないように赤マーカーでぐるぐるチェックをするようにしていました。
次の章から問題文を実際に見ていきますが、僕がどの色のマーカーでチェックしているかも合わせて書いていきますので、上記の色分けは要所要所で見返してみてください。
問題文をチェックする時のポイント/設計条件
それでは問題文の最初から順番に見ていきましょう。
まず書いてあることは設計条件についてです。
どのような敷地にどんな用途の建築物を計画するか書いてあるので、エスキスを進めていく上で要求される条件などが書いてある部分になります。
1|前段
前段部分では計画するにあたって最低限満たして欲しい事項や用途が書かれています。
この部分を読み飛ばしてしまうとゾーニング計画が条件と食い違ってしまい、いくら要求室を綺麗に並べても、そもそも条件が違うという事になりかねません。
それほど重要な事が書かれている事が多いので、どれもピンク色(プランに関わる事項)でマーカーしていました。
2|敷地及び周辺条件
続いて敷地条件についての記載があります。
敷地図で周辺の道路がどこにあるか、隣地の建物は何か、方角のチェックはピンク色(プランに関わる事項)でチェックしています。
敷地の縦横の長さ、面積、道路の幅員については数字のため黄色でのチェックです。
文章に目を移すと、歩道の切り開き(例年は1箇所6mまで)、建ぺい率、容積率などの数字があるので、漏れずに黄色でチェックしておきましょう。
他にも用途地域の記載があるのでここも確認を忘れずにしておきたい部分です。
用途地域によっては高さ制限の勾配などに違いが出てくるので注意が必要です。
3|建築物
続いて建築物では、いよいよ計画する建築物の階数や構造、要求室の一覧などの記載があります。
計画すべき建築物の階数は数字のため、黄色でチェックしておきます。
要求室一覧では、表の上から部屋を見逃さないように順番に確認していきましょう。
一行しか記載のない部屋などはみていく流れの中で読み飛ばしやすいので注意が必要です。
この表の中も同じく数字は黄色、部屋の配置に指定(南側や階数、セキュリティなど)があればピンク、部屋の中に書く必要のある家具(テーブルや椅子など)はオレンジでチェックしていきます。
ここでオレンジにマークした部分はエスキス後、作図中、作図後などの見直しの際に、要求されている事項が全て反映されているか確認するための項目になってくるので、漏れないようにする事が重要です。
要求室の下部にはPSやトイレ、機械室など必要な部屋は適宜配置するという記載もあるので、設備計画によってDSなど計画漏れがないようにする必要があります。
4|その他の施設
その他の施設では敷地内に計画すべき駐車場の台数や、屋上庭園などが書かれています。
駐車場や屋上庭園などの必要な施設についてはオレンジ色でマークするようにしています。
その中に「共用室に面して配置」などの配置する上での縛りがあればピンク色(プランに関わる事項)でマークします。
必要面積などの数字は黄色でマークしておきましょう。
この時に面積算出する部分に「庇や屋根となる部分は除く」などと書いてある場合があります。
これは注意していないと計画したものの面積が足りない!となってしまう可能性があるため、青(重要事項)でチェックしておきます。
5|留意事項
留意事項に書いてあることは直接要求されている部屋などではありませんが、どれも重要なものばかりです。
留意とは「心に留めておくこと」という意味なので、それだけ大事なことを試験元から伝えてくれている部分になります。
毎年共通する部分もありますが、それぞれ何に対して注意する必要があるのか青色(重要事項)でマークしながら確認しておきましょう。
問題文をチェックする時のポイント/要求図書
要求図書では製図する図面に求められる記載事項が細かく書かれています。
また、記述項目についても何についての記載を求められるのかが書いてあるので重要と言えます。
1|要求図面
計画する必要のある図面について求める事項が表にまとめられて記載されています。
表の外に図面はフリーハンドでもよいと記載がある部分になります。
表の構成としては、1階平面図・配置図、2階平面図、◯階平面図、断面図となっていることが近年は多いです。
それぞれの図面の中で寸法、室名(住戸など同じ室名が連続する場合は表記の方法も記載があります)、各室の床面積、延焼ラインなどの防火関係、PSの位置、什器など必要と言われている事項にはオレンジでチェックしておきます。
ここも後に要求されている事項のチェックリストになるので漏れが無いようにしていく必要があります。
ここに記載があるものを図面の中に記載しないとそれだけで減点になってしまう可能性があるので、図面として記載はしていても文字できっちり表記するようにするといいと思います。
令和3年の試験では断面図の部分に「道路高さ制限への適合が確認できる情報(道路斜線、斜線勾配等)を図示する」と記載があり、何も図面上に記載がなかった図面に関しては大幅な減点があったものと思われます。
逆に記載がしてあれば多少計算が間違えていても合格した図面がありました。
僕も計算を間違えていましたが、これでもかと言うほど目に付きやすいように斜線制限について書いておいたので合格できたものと考えています。
2|面積表
面積表も計算を間違えてしまうと法的にアウトになりかねないので重要なポイントの一つです。
計画する建築物のどの部屋が面積計算に含めて、どの部分が面積計算に含めないのか記載があるので、しっかりと青色でチェックするようにしましょう。
問題によっては面積に算定する部分が変わってくる事があります。
また、面積ではなく建ぺい率などを求めてくる場合も考えられるので注意が必要です。
3|計画の要点等
ここに記載のあるのは記述で書かなければならない事項です。
記述で記載が求められる事項も先に把握しておくと、計画するときに便利な事があります。
また、記述で問われる部分はそれだけ重点を置いている部分でもあるはずなので、計画していく中で部屋の優先事項を迷った時に指針になる部分だと思います。
例えば、2つの部屋のどちらかを南側に配置するべきか迷う場合、記述でどちらかの部屋の配置について求められている場合は、南側に配置すべき部屋がどっちなのかわかりやすいですよね。
記述を書くときに、計画図面と差異が出ない様にしていく必要があります。
4|防火設備等の凡例
ここはあまり変更される可能性は低いように思いますが、毎年同じとは限らないので確実にチェックしていきましょう。
◯防、◯特などいつも資格学校で書いていた記載と異なる記載を求められる場合に対応できるようにしておくと合格する確率が上がっていくと思います。
問題文に隠されている重要事項
最初にも書きましたが、毎年サプライズで例年とは違った記載のされ方をしている箇所が存在します。
その例年とは違った記載に気づくことがまず重要です。
気づいたらわかりやすいように印をつけてから、対応について考えていきましょう。
わかりやすく違う部分については、焦ることなく考えれば例年と同じことを言っていることや例年よりも条件が緩いことがあるので落ち着いて対処できるようにしておくといいと思います。
令和3年の問題では、通常書いてあった延べ床面積についての記載がありませんでした。
容積率から延べ床面積を計算する必要があったのですが、それに気づき落ち着いて計算できれば例年よりも面積の縛りが緩い、ということに気づくことができると思います。
他にも各資格学校で言われていることだと思いますが、問題文の中に何度も出てくる言葉は試験元が重要としているポイントの可能性が高いので見逃さないようにしましょう。
特に設計条件の中の留意事項と、要求図書の中の計画の要点等のどちらにも記載されている事については最重要事項だと判断することができます。
令和3年の試験では、どちらも一番最初に住戸の採光についての記載があったので、採光について重点的に図面に補足事項を記載しておこうと考える訳です。
まとめ
今回は一級建築士設計製図試験の問題文の重要ポイントについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
学科試験とは違い、試験までの準備時間も短いので、効率よく勉強していく必要があると思います。
それなのに初受験の方は、問題に慣れるまでに時間がかかってしまうと思いますので、この記事を参考に少しでも問題文の読み取りに慣れてもらえれば幸いです。
それではまた!